舞台「妖アパ」明日開幕、稲葉夕士役の前山剛久「役どおりみんなに導いてもらった」
香月日輪・深山和香原作による舞台「妖怪アパートの幽雅な日常」が、明日1月11日に東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて開幕。これに先駆け、本日10日に同劇場で囲み取材が行われた。
「妖怪アパートの幽雅な日常」は妖怪、幽霊、人間が入り混じる奇妙な妖怪アパートを舞台に、高校生の稲葉夕士と個性的な住人たちとの奇妙な共同生活を描くファンタジー。香月の小説を原作としており、マンガが月刊少年シリウス(講談社)で連載されているほか、2017年にTVアニメが制作された。
囲み取材には、稲葉夕士役の前山剛久、長谷泉貴役の小松準弥、龍さん役の佐伯亮、一色黎明役の谷佳樹が登壇。座長を務める前山は「魂込めて稽古に臨んできたので、素敵な作品に仕上がっていると思います」と自信をのぞかせると、「今までは座長として引っ張っていかないと、という思いが強かったんですが、今回は逆に(周りのキャストに)支えてもらったなという印象。作品も、みんなが夕士を導いててくれるストーリーなので、役どおりみんなに導いてもらったと思います」と述べた。
そんな稲葉の親友・長谷を演じた小松は自身の演じる役柄について、「稲葉の親友として常に彼を見守っている役を担わせていただいています」と説明。「舞台では原作と違う登場の仕方をしますが、稲葉の親友として常に見守って、稲葉の変化を感じている役割です」と語った。また佐伯は「龍さんと僕は似ているところが少なかったので、どう寄せていくか大変でした」と話し、「演じていくうちに、龍さんの優しさ、ただ優しいだけじゃなくときには厳しい優しさを感じることができて。大変でしたけど充実してました」と感慨を語った。
続く谷は「黎明は一番夕士と関わっているキャラ。親目線で夕士を見ている黎明を大切にお届けしたいです」と意気込む。また約2年ぶりの共演となる前山との関係については「共演させていただくのが久しぶり。最初は“久しぶり感”というか、お互い距離感があるというか、探り合っている感もあって(笑)」と振り返り、「稽古していくにつれて感覚が戻ってきて。ご飯に行ったとき『お互い、ちょっとずつ成長しているね』って言い合いました」と裏話を明かす。すると前山も笑顔を見せながら「お互いいろんな作品を経験して、成長しているんだなっていうのを感じましたし、今回はグッと距離感が近くなれました。その感じが、お芝居にも出ているんじゃないかなと」と語った。
小説、マンガ、アニメとさまざまな形で制作されてきた本作。記者から舞台版ならではの魅力について質問されると、前山は「舞台版ではより(登場人物の)内面を深く掘り下げていると思いますね。物語の展開はそれほど早くないですが、その分関係性をより丁寧に描いているのでは」と話す。また佐伯も「ダンサーの三井聡さんがいらっしゃったり、幽霊、妖怪たちが目の前に出てくるので、パフォーマンスとしても見応えがあると思います」と魅力をアピールした。
最後に前山は「この作品を観て1番考えるのは『普通とは何か』だと思います。僕にとっての普通と、皆さんにとっての普通は違います。それを完全に理解するのは難しいことですが、この作品は、その境界線を踏み越えていく勇気をもらえる作品だと思います。是非、『普通とは何か』を考えてもらえたら」と語り、会見を締めくくった。舞台「妖怪アパートの幽雅な日常」は、明日1月11日から27日まで、東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて上演。
舞台「妖怪アパートの幽雅な日常」
日程:2019年1月11日(金)~27日(日)
会場:紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
スタッフ
原作:香月日輪
漫画:深山和香
脚本:谷碧仁
演出:元吉庸泰
振付・ステージング:三井聡
キャスト
稲葉夕士:前山剛久
長谷泉貴:小松準弥
龍さん:佐伯亮
一色黎明:谷佳樹
深瀬明:佐々木崇
久賀秋音:中村裕香里
佐藤さん:相川春樹
クリ:荒井悠・猪股怜生(ダブルキャスト)
竹中:室井響
博伯父さん:石井英明
恵子伯母さん:馬渡亜樹
恵理子:永田紗茅
スペシャル・ダンサー:三井聡
骨董屋:細見大輔
(c)香月日輪・深山和香/講談社(c)2018 舞台「妖アパ」製作委員会